東京の伝統工芸品指定
一般的には「伝統的工芸品」という名称が使われることが多い中、東京都においては「伝統工芸品」という名称を活用しています。
この「伝統工芸品」という扱いを受けるためにはあくまでも、現在実用品として(生活工芸品として)生産が続けられているということが大切な要素となっています。
「工芸品」とはどの時代にあっても、技術と生産が対となっているところが「美術品」と呼ばれるものとの違いなのかもしれません。
東京の伝統工芸品として指定される条件をまとめると以下のような要素があります。
1)製造工程の主要部分が手工業的であること。
2)伝統的な技術と技法により製造されること。
3)伝統的な原材料を主として使用し製造していること。
4)都内において4企業以上のものが製造していること。
「原材料」においても伝統的な素材を活用しているということが大切な要素となっています。またこれらの技術を継承していくことを価値あるものとするために、「伝統工芸士」という資格制度があります。
「和紙」「織物」「染色品」「漆器」「木工」など経済産業大臣指定の伝統的工芸品の製造に従事されている技術者を対象として、匠の育成を目指しいてる制度となっています。
東京都の場合には、高度な技術者に対して「東京都伝統工芸士」としての認定制度があるのですが、その要件としては下記のような要素が必要となっています。
1)東京都伝統工芸品の製造実務経験が20年以上あり、かつ、現在も製造に直接携わっていること。
2)伝統工芸品の製造に関する高度な伝統的技術を有していること。
3)伝統工芸品産業振興事業の推進に協力していて、今後も協力継続していくことができること。